
祀られている神様
紹介
媽祖を拝み終えて振り返れば、そこは台湾で最も賑わう夜市の一つ——これが松山慈祐宮(しょうざんじゆうぐう)、通称「松山媽祖廟」です。台北市松山区の饒河街(じょうががい)夜市のそばに立ち、「廟口文化(びょうこうぶんか)」の最も典型的なお手本です。六階建ての廟身は金碧輝煌、屋根の双龍搶珠(そうりゅうそうしゅ)の剪粘(せんねん)工芸はこれ以上ないほど細密で、夜にライトアップされるといっそう煌めきます。主祀は慈悲深く霊験あらたかな黒面媽祖(こくめんまそ)で、廟内には註生娘娘(ちゅうせいにゃんにゃん)や虎爺(こや)なども祀られています。お線香をあげ願をかけたら、そのまま隣の饒河夜市に踏み込んで一巡り——この一日で、台湾の庶民の暮らしと民間信仰をまとめて味わえます。
歴史
清の乾隆18年(1753年)、林守義という行脚僧があちこちで募金して回り、慈祐宮を建てました。当時の松山はまだ「錫口(しゃっこう)」と呼ばれ、基隆河(きーるんがわ)畔の重要な中継港で、この廟は十三街庄の住民が共有する信仰の中心でした。日本統治時代には一度大規模な整修が行われ、精美な石彫りや木彫りが加えられ、戦後もさらに幾度か修建されて廟宇の格局はいっそう宏偉になりました。水運の要衝から鉄道の駅、そして今日の現代的な商業地区へと、錫口は何度も姿を変えましたが、慈祐宮はそのすべてを見守ってきました。今も廟前の「慈祐宮口」は、松山の人々の日常で最も馴染み深い地標です。