普賢菩薩
大行願力・修行の実践・仏法の護持

普賢菩薩

普賢大士 | 大行菩薩 | 遍吉菩薩

紹介

仏教の四大菩薩には、それぞれ得意とするものがあります。観音は慈悲、文殊は智慧、地蔵は大願。そして普賢菩薩(ふげんぼさつ)——遍吉菩薩(へんきちぼさつ)、大行普賢(だいぎょうふげん)とも呼ばれます——が代表するのは「行(ぎょう)」、すなわち仏法をほんとうに行いに移すことです。普賢菩薩は『華厳経』で「諸仏の長子(ちょうし)」と尊ばれ、文殊菩薩と左右から釈迦牟尼仏の脇侍をつとめ、あわせて華厳三聖を成します。文殊が「考え抜く」を、普賢が「やり遂げる」を代表するのです。その姿は見分けやすく、たいてい白い六牙(ろくげ)の象に乗った姿で表されます。六本の牙は六度波羅蜜(ろくどはらみつ)——布施・持戒・忍辱(にんにく)・精進・禅定(ぜんじょう)・般若の力を象徴します。台湾では、普賢信仰は観音や地蔵ほど広まってはいませんが、その「十大願王(じゅうだいがんのう)」は、数えきれぬ仏弟子が毎日の朝夕のおつとめでよりどころとする行動の指針です。わかっている人は知っています——普賢を拝むとは、「口ばかりで実行しないこと」への戒めを拝むことなのだ、と。

伝説

『華厳経』の大詰めは、普賢菩薩のものです。「入法界品(にゅうほっかいぼん)」で、善財童子は五十三人の善知識を訪ね歩き、観音や弥勒にも会いますが、最後に普賢菩薩の前に至って、ようやく円満な境地を証得します——求道の終着点は、もっと奥深い理論ではなく、「実際に行うこと」だったのです。言い伝えでは、普賢ははかりしれない昔に大いなる願を立て、「大行」によってあらゆる衆生が仏道を成すのを助けると約束しました。その十大願王は、諸仏を礼敬することや業障(ごっしょう)を懺悔することから、衆生に恒(つね)に随(したが)うこと、功徳をあまねく廻向することまで——修行を、実際にやり遂げられる十の行いへと分け解いたものです。

普賢が乗る白い六牙の象は、インドの伝統に由来します。白象は高貴・純潔・揺るがぬ力の象徴で、一歩ごとに大地を踏みしめて進む姿は、まさに修行そのものです。四川の峨眉山は古くから普賢の道場とされ、普陀・五台・九華とともに四大仏山に数えられます。隋・唐の時代には天台宗や華厳宗の高僧たちが、とりわけ普賢の十大願の教えを重んじました。そして明・清の時代、この信仰は仏教とともに台湾へ伝わり、今日まで受け継がれています。

参拝作法

普賢菩薩への参拝は精進の供物で——生花、果物、清らかなお茶を供え、葷食・酒・たばこは避けます。誦経は『華厳経』の「普賢行願品(ふげんぎょうがんぼん)」を第一とし、あるいは聖号「南無大行普賢菩薩」を念じます。けれど普賢信仰のほんとうの肝心どころは、供え台の上ではなく、供え台の外にあります。十大願王は「行う」ためのものなのです。毎日、諸仏を礼敬し、人の善行を見れば随喜(ずいき/ともに喜ぶ)し、過ちを犯せば正直に懺悔し、功徳を一切の衆生に廻向する。多くの仏弟子は、この十の願を日々の修行のチェックリストとして、一つずつ着実に実らせていきます。何を願うのでしょう。実行力、そして願の力が退かぬこと——計画がいつも最初の一歩で止まってしまう人こそ、この「行動派」の菩薩に学びに来るのがふさわしいのです。旧暦二月二十一日の聖誕には、各寺院で誦経の法会が営まれます。

祭日

**普賢菩薩聖誕**:旧暦 2 月 21 日。各仏教寺院でこの日に祭典が催され、『華厳経』〈普賢行願品〉の読誦、講経説法などの儀式が行われます。佛光山、法鼓山などの大型寺院の聖誕法会は規模が大きいです。

**普賢菩薩成道日**:旧暦 12 月 22 日。一部の寺院ではこの日に紀念法会が催されます。

**華厳法会**:一部の寺院(特に華厳宗系統)では、毎年数日から 1 ヶ月にわたる「華厳法会」が催され、『華厳経』全本が読誦されます。普賢菩薩が核心対象です。

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