詳細紹介
受験生が文昌帝君(ぶんしょうていくん)にお参りするなら、供え台に並ぶのはネギ、セロリ、大根。虎爺(こや)を拝むなら生卵を用意します。でも、釈迦頭(バンレイシ)を一つ持って仏様を拝んだら、それはたいへんな失礼にあたります。お供え物は信者から神仏への心づくし。けれど何を供えてよく、何が禁忌かには、台湾の民間できめ細かな決まりがあります。
基本のお供え物
● 生花:清浄と荘厳を表し、菊や百合が最もよく使われます。仏様には蓮が一番です。花は新鮮で傷みのないものを。しおれた花は供えられません。
● 果物(四果):「四果」とは四種類の果物のことではなく、「四季の旬の果物」という意味です。ふつうは奇数の種類(三種か五種)を選び、一種ごとの数も奇数にします。果物は洗って拭き、虫食いや傷みのないものを。
● 茶・酒:茶か米酒を神仏に捧げ、たいてい三杯を供えます。仏教の寺院では、ふつう清水か茶のみで、酒は供えません。
● 糕点(くわし):甘く如意なることを象徴します——年糕(ねんこう/お金がくっつく)、発糕(はっこう/発財)、紅亀粿(こうきけい/長寿)と、それぞれによい語呂の願いが込められています。
三牲と五牲
● 三牲(さんせい):豚肉(皮付きの三枚肉)、鶏一羽、魚一尾で、神仏を拝む最も正式なお供えの組み合わせです。
● 五牲(ごせい):三牲にアヒルとエビ(またはカニ)を加えたもので、格がさらに高く、天公生や廟開きといった大典に多く用います。
● 素三牲(そさんせい):豆腐、麩(ふ)、精進の鶏もどきなどで作り、仏教や精進の神仏に供えます。
神仏ごとのお供えの好み
● 財神爺(ざいしんや):甘いものを好み、飴、ピーナッツ糖、菓子はどれも良し。落花生(長生)や麻糬(もち/お金がくっつく)を添えればなお良し。
● 虎爺:生卵や生肉を好みます——虎爺は動物の神なので、お供えは「生」のもの。生の豚レバーを供える信者もいます。
● 土地公(伯公):最も親しみやすい神仏で、落花生(土豆=「長生」の意)、麻糬(お金と福がくっつく)を好みます。
● 月老(げつろう):生花、喜糖(祝いの飴)。縁結びを願う人は赤い糸も用意します。
● 文昌帝君:受験生はネギ(聡明)、セロリ(勤勉)、ニンニク(会算=計算ができる)、大根(好彩頭=縁起がよい)、ちまきと包子(包中=合格)を供えます。
● 媽祖:寿桃(じゅとう)、寿麺、紅亀粿を献じ、母のようなこの神仏への感謝を表します。
お供えの禁忌
● グアバ(番石榴/芭樂):種が多く消化しにくいため、昔の人は「不浄」と考え、神には供えません。
● トマト:グアバと同じ理由で、やはり不浄の果物とされます。
● 釈迦頭(バンレイシ):名が「釈迦牟尼」と同じであるため、仏様に供えるのは大不敬とされます。
● スモモ(李):民間では道教の始祖・老子の姓が「李」であることから、スモモで祭るのは「老子を食べる」に等しいとされます。
● 空心菜(クウシンサイ):「空心」に「誠意なし」の意があるとされます。
● パイナップル(旺来)、りんご(平安)、みかん(吉利):こちらは最も好まれる縁起のよいお供えです。
お供えの並べ方
お供えは供え台にきちんと並べ、果物と菓子は神仏の正面に、三牲の鶏は頭を神仏に向けて置きます。供杯(茶・酒)はお供えの手前に並べます。拝み終えたお供えは持ち帰って食べられ、俗に「吃平安(食べて平安を得る)」といって——神仏の加護を一緒にいただくことを象徴します。
