詳細紹介
台湾の廟を見上げると、屋根の棟の両端が燕の尾のように反り上がっています——これが「燕尾脊」です。高く反り、大きく曲がるほど、その廟の格が高いことを表します。台湾の廟の一本一本の線は、実はそれ自体が一つの言葉なのです。台湾の廟建築は、華人の伝統建築芸術が島という環境の中で最も見事に花開いたもの。清代に漳州・泉州の移民がもたらした閩南様式から、日本統治時代に溶け込んだ和風の要素、そして戦後に育った台湾独自の特色まで、数百年の匠師の知恵と文化の厚みが凝縮されています。
基本の配置
台湾の廟の基本配置は、中国閩南の建築伝統を受け継ぎます。主に次のように分かれます。
● 単殿式:最も簡素な配置で、一進(正殿一つ)のみ。土地公廟などの小さな廟によく見られます。
● 両殿式(両進):前殿(三川殿)に正殿を加え、中間を天井(中庭)や渡り廊下でつなぎます。
● 三殿式(三進):前殿、正殿、後殿を備えた最高格の配置で、台南孔廟や龍山寺などの大型の廟がこれにあたります。
● 護龍(護室)付き:正殿の両側に張り出した廂房で、ふつう事務室、倉庫、配祀の殿として使われます。
鹿港天后宮や北港朝天宮のような大型の廟には、五進以上の壮大な配置を備えるものもあります。
屋根の芸術——台湾の廟の稜線
台湾の廟で最も目を引くのが、あの華麗な屋根です。主な形式は次の通りです。
● 燕尾脊:棟の両端が燕の尾のように反り上がる、台湾の廟で最も見分けやすい特徴です。高く反り、曲がりが大きいほど、廟の格が高いことを表します。
● 馬背脊:棟がまっすぐで、頂を金・木・水・火・土の五行の形に仕上げます。民家や小さな廟によく見られます。
● 重簷歇山頂:最高等級の屋根形式で、孔廟の大成殿など官の祀典建築に見られます。
棟の上の装飾もまた見事です。正脊にはふつう「双龍搶珠」や「双龍護塔」(福・禄・寿の三仙塔)を据えて瑞祥を象徴し、脊堵(棟の両側の面板)には剪黏や交趾陶で、三国志演義、封神演義、八仙過海などの神話の場面が生き生きと形づくられます。
石彫と木彫
● 龍柱:正殿前の、龍が巻きつく石柱は、廟の石彫の精華です。龍の鱗、鬚、爪の彫りはきわめて精緻。初期は単龍が柱に巻きつく形でしたが、のちに双龍、さらには三龍が巻きつく複雑な造形へと発展しました。
● 石獅:廟門の前には対で石獅が置かれ、雄獅(口を開き毬を踏む)が右、雌獅(口を閉じ子を守る)が左に据えられ、廟門を鎮めます。
● 木彫:廟内部の梁柱、斗拱、花罩、神龕にも精緻な木彫が施され、龍鳳、花鳥、人物故事などがよく題材になります。
● 藻井:正殿の天井の「藻井」は最も精密な木構造で、斗拱を幾重にも内へすぼめて、回転しながら上昇する穹頂を形づくります。工芸はきわめて複雑で、匠師の技量の最高の表れとされ、龍山寺の藻井はとりわけ有名です。
彩絵と門神
廟の梁柱や壁面には色鮮やかな彩絵が描かれ、吉祥図案(龍鳳呈祥、花開富貴)や歴史物語が題材になります。門神は廟の大門で最も大切な彩絵です。廟の種類によって門神も異なり、武廟には秦叔宝と尉遲恭(武将)、仏寺には四大天王や韋駄護法、媽祖廟には宮女や太監を描きます。門神の彩絵は高度な芸術とされ、台湾では歴代に潘麗水や陳寿彝など多くの名匠を輩出し、その作品は国宝級の文化資産と見なされています。
南北の様式の違い
台湾の廟建築には、はっきりとした南北の別があります。南部の廟(とりわけ台南)は装飾が華麗で複雑、色彩が濃く、細部が豊か。北部の廟は簡潔で大らか、色調は控えめです。これは南北で匠師の継承系統が異なることに由来し、南部は泉州派と漳州派が主、北部は福州派の影響を強く受けています。
