詳細紹介
廟はなぜいつも山を背にし、水に面しているのでしょう。なぜ年配の人は、ソファは必ず壁につけろ、ベッドの頭は戸口に向けるな、と言い張るのでしょう。答えはどれも同じ一つの学問——風水、別名「堪輿(かんよ)の術」に隠されています。廟の立地から住まいの間取り、墓の方位まで、この考え方は台湾の人の暮らしのあらゆる隅々にしみ込んでいます。
風水の基本原理
風水の核心は、たった一字——「気(き)」、天地の間を流れる自然のエネルギーです。よい風水とは、気がなめらかに巡り、しっかり留まること。この学問には二つの大きな流派があります。
● 巒頭派(らんとうは):地形地貌を見て、山の勢いや水の流れから吉凶を判断し、「前は朱雀、後ろは玄武、左は青龍、右は白虎」という四神獣の配置を重んじます。最も理想の形は、背に山嶺を負い、前に水流を望み、左右を丘が抱きかかえるような地です。
● 理気派(りきは):羅盤(らばん/羅経)で方位を測り、八卦・五行・天干地支を組み合わせて吉凶を割り出します。とりわけ建物の向きや、門・窓の位置を重視します。
実際には、多くの風水師が両派を併せ、総合して見ます。
廟の風水
台湾の廟は、その立地と造営において風水をとりわけ大切にします。
● 座向(ざこう):北を背に南に向く、東を背に西に向く……といった向きが、最も基本の考えどころです。神仏ごとに理想の向きがあり、たとえば媽祖廟は海に向くことが多く(航海の守り)、土地公廟は農地に面することが多いのです。
● 明堂(めいどう):廟の前には開けた土地(明堂)が要り、財の気が集まることを象徴します。多くの古廟の前にある大きな広場が、風水でいう明堂です。
● 水口(すいこう):廟の近くを流れる水の向きが肝心です。「水、天心に聚まる」は最上の形——水が廟の前に集まり、めぐってから流れ出ることで、財の気が散らないことを象徴します。
● 龍脈(りゅうみゃく):大きな廟の立地では「龍脈」、すなわち山脈の走りと起伏が重んじられます。北港朝天宮(ほくこうちょうてんぐう)は「金龍」の脈の上に座すと言われ、それゆえ霊気がとりわけ盛んだとされます。
● 石敢当・山海鎮:廟や民家では、門口や壁の角に「石敢当(せきかんとう)」の石碑を立て、「山海鎮(さんかいちん)」の額を掲げて、路沖や巷沖といった煞気を鎮めます。
住まいの風水の常識
台湾の人は住まいの内装や配置にも、風水の考えを色濃く映します。
● 玄関:エレベーターや階段、路地の真向かいにあってはいけません(路沖/「漏財」を招く)。入口に衝立や下駄箱を置けば和らげられます。
● 台所:かまど(コンロ)が蛇口の真向かいにあってはならず(水火相沖)、戸口に背を向けてもいけません(「背後に靠りなし」)。
● 寝室:ベッドの頭は鏡に向けてはならず(驚きやすくなる)、梁の下に置いてもいけません(「圧迫」の象)。ベッドを戸口の真正面に据えるのも避けます。
● 居間:ソファは壁につけて「靠山(こうざん/後ろ盾)」を得るのがよく、戸口に背を向けてはいけません。財位(多くは玄関の対角)には、聚宝盆(じゅほうぼん)や招財の植物を置きます。
● 植物:室内には万年青(おもと)、発財樹(パキラ)、ポトスを育てると運と生気を呼ぶとされ、サボテンのような棘のあるものは室内に不向きとされます。
風水グッズと化煞の道具
● 八卦鏡(はっけきょう):門口の上に掛けて煞気を跳ね返します。凸面鏡は路沖を化し、凹面鏡は旺気を納めます。
● 石敢当:路地の角や巷沖の場所に立てる石碑で、「泰山石敢当」が最も一般的。煞気を鎮めます。
● 風獅爺(ふうしや/風水獅):金門島を最も象徴する風水グッズで、風を鎮め邪を払います。
● 貔貅(ひきゅう):伝説の瑞獣で、入るばかりで出さないことから、財を招き宝を集める象徴とされ、商家やオフィスによく置かれます。
● 五帝銭(ごていせん):清朝の五皇帝(順治・康熙・雍正・乾隆・嘉慶)の銅銭を一連に結び、門に掛けたり敷居の下に置いたりして、化煞と招財を図ります。
● 山海鎮:山水と太極図を描いた木の札で、門口の上や煞気の向く方位に掲げます。台湾の住まいで最もよく見る化煞の道具です。
現代の風水観
現代の台湾人の風水への向き合い方はさまざまです。固く信じ、家を買う前には必ず風水師の鑑定を仰ぐ人もいれば、参考程度にとらわれない人、あるいは心の安らぎとして受け止める人もいます。けれど、どこまで信じるかにかかわらず、風水はとうに台湾の建築設計、内装、都市計画にしみ込んでいます——少なからぬ新築物件が売り出しの際に「風水の間取り」を売りにしているほどで、この文化が今なお大きな重みを持っていることがうかがえます。
